クロールの息継ぎでうまくいかない場合、呼吸の時に首だけを回していませんか? TIマスターコーチ 永瀬利得

 2016年10月10日
永瀬コーチ

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トータル・イマージョン永瀬です。

クロールの息継ぎでうまくいかない場合、呼吸の時に首だけを回していませんか?

クロールの息継ぎでうまくいかない人の大部分はこの「首だけを回す」動作を行っていることが多いのです。
ではなぜ、首だけを回してしまうのでしょうか?

その原因には、

  1. (右呼吸と仮定した場合)左腕の入水動作に合わせて、身体と顔とを動かすことができずに、左手の入水後に顔を水上に向けてしまっている。
  2. (同上)顔を水上に上げるのであるが、不十分な回転角であることで、呼吸ができず、もっと呼吸をしたいがために首を回そうとする。

この2点が挙げられます。

実はこのいずれも首やその周りの筋肉に無理な動きから「力み」や「緊張」が生まれ、呼吸動作を妨げていることがとても多いのです。

では、無理のない呼吸動作とはどのようなことを指すのでしょうか?

首の可動域を調べる時に、立った状態で最初に両肩を固定して首だけを左右に振り向きます。次に頭を固定して、これも立った状態で両肩を動かして体を斜めに動かします。ちょうど、体をひねる動作になります。最初に正面から左右に振り向いている角度と次に両肩を動かして体を斜めにする角度は等しいですよね?

では、2番めに行った頭を固定して体を斜めにする時に、例えば右肩を前に、左肩を後ろにした斜め姿勢を作ります。そのまま、頭と体との斜め姿勢のまま、体全体を右方向に振り向くようにしてください。ちょうど、ムチウチのギプスをはめたまま振り向く要領です。息継ぎの動きはこのような動きになります。これを入水する腕と同期させて振り向く形です。

首だけを回す動作を行うことはありません。

ゆえに、息継ぎでは、スケーティングの斜め姿勢を安定させることがとても重要です。
さて、プールで試してみてくださいね。

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