Swim Like Shinji:短時間で効率の良い練習のまとめ   トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2016年10月10日
スイム 4200ヤード

今年の本格的なスイム練習シーズンが終わりに近づいている。今年の最大の収穫は、心拍数に基づいて練習を高度化できたことである。以下にその変遷をまとめた。

○心拍数導入初期(5月17日)

  • 距離:4000ヤード
  • 練習時間:1時間29分(実質1時間8分)
  • 平均移動ペース:1分42秒
  • 平均心拍数:131bpm(毎分)、最大心拍数:151bpm
  • 練習内容:10×100のテンポピラミッド、10×100のストロークピラミッド、2×500のロング、5×100のスプリント

心拍数の推移を見ると、途中で上がらずに下がっている。また休憩時間が長いため心拍数の落ち込みが大きい。ロングではスピードを上げずに心拍数が上がっている。これは心拍数を上げるための運動としては理想的であるが、スピードを上げる練習では無駄なエネルギーの消費を意味する。スプリントをしているにもかかわらずペースは1分30秒前後で「やや速い」状態にとどまっている。

ゾーン分布(Z1:カルボーネン法による予備心拍数の60%未満、Z2:70%未満、Z3:80%未満、Z4:90%未満、Z5:90%以上)を見ると、ゾーン3と2で50%を占めており、完璧な有酸素運動になっていることがわかる。健康のための練習であればこれが理想的だが、スピードアップの練習としては物足りないことがわかる。

○心拍数導入中期(6月17日)

  • 距離:4200ヤード
  • 練習時間:1時間7分(実質1時間4分)
  • 平均移動ペース:1分32秒
  • 平均心拍数:152bpm(毎分)、最大心拍数:164bpm
  • 練習内容:4×1000のペーススイム(ペース25秒)

心拍数の推移を見ると、最初の9分で心拍数の上昇がゆるやかになり、その後は確実に上昇している。20秒の休憩で心拍数は10%程度下がる。ただし休憩時間が倍になっても20%下がることはなく、継続的な運動を行う上でのボトムライン(私の場合135〜140)があるようだ。

ペース25秒はウォームアップよりも少し速い程度である。この段階では速いペースを維持することができなかったので、1000ヤード続けて泳いで確実にキープできるペースで泳いでみた。それでもゾーン分布の結果では6割がZ4(運動強度80〜90%)、Z5と合わせて7割となった。練習後の感じでは「速く泳ぐ練習をした」満足感が高い。これ以降Z4が最低5割、Z4とZ5の合計が7割をスピードアップ練習の評価基準とした。

○心拍数導入後期(9月16日)

  • 距離:4200ヤード
  • 練習時間:1時間12分(実質1時間1分)
  • 平均移動ペース:1分28秒
  • 平均心拍数:151bpm(毎分)、最大心拍数:166bpm
  • 練習内容:10×100のテンポピラミッド、10×300のペーススイム(ペース22秒)

テンポピラミッドでフォームと力の入れどころを確認する。テンポピラミッドの休憩時間は15〜20秒として心拍数の低下を最小限に抑えた。ペースは香港のリレーを意識して4〜5回10分〜20分を速く泳ぐペースとして22秒に設定した。21秒は現在のタイムトライアルペースである。

ペース練習の休憩時間は30〜40秒として、この速いペースを300ヤード維持する回数を練習毎に増やした。今日が最多の10回である。この次のステップで連続で泳ぐ距離を400ヤードに増やし、ペース練習の回数を5に減らして練習毎に回数を増やしていく。

ゾーン分布はきれいな逆ピラミッド形になった。Z5で3割以上を占めた経験は水泳ではないが、泳いでいるときはこれまでに比べて格段にきついという印象はなかった。ウェイトトレーニングを行うことで、力の入れどころがわかったことが貢献している。Z5が最も長く、Z5とZ4で50%を超えているので、スピードアップ練習としては理想的な練習であったと評価できる。

○まとめ
これまでの心拍数を使った練習から、以下のような考察が得られた。

  1. 心拍数で練習の「質」を評価することができる。この3回の練習を比べても、泳ぐ時間は減ったにもかかわらず運動強度は非常に上がっていることがわかる。
  2. 運動強度を上げる練習を行えば、スピードの底上げが期待できる。
  3. どのような練習で運動強度(心拍数)が上がるかを理解しておく。漫然と泳ぐ<テンポ一定<ストローク数一定<ペースで、ペース練習が最も強度が高い。
  4. 心拍数を上げるだけならスプリント練習の方が上がるが、本数をこなすことができない。また休憩時間が増えると心拍数は急激に下がる。練習の主眼はあくまでゾーン分布で高いゾーンの時間を増やすことである。
  5. 運動停止直後に心拍数が上がる特性を利用したのが水泳のインターバルトレーニングである(と理解している)が、実際には心拍数は上がらず、15秒で10%程度下がる。従ってインターバルトレーニングの前提が成り立たないことがわかった。なお陸上ではランの直後に心拍数が上がることが確認できた。
  6. 自分を追い込みたいのであれば、リラックスして泳げるペースより1〜2秒マイナスしたペースで泳ぎ、休憩時間を30秒以内にする。1回に200以上泳げばゾーン4にすぐ到達できる。ただし最低でもセット合計で1000を泳ぐ。

今後は1回に泳ぐ距離を500程度まで伸ばして現在のペースを維持して泳げるようにする。11月に入ったらいよいよペースを1秒上げて、本格的なスピードアップの練習に移行したい。このときにはスイムの回数を減らし、ウェイトとラン、バイクの複合練習に切り替える。

竹内慎司TI代表のブログSwim Like Shinjiはこちら→

 ©Easy Swimming Corporation