練習しなくなったドリルを見直しましょう TIシニアコーチ 山口工

 2016年9月10日
山口コーチ

日頃練習を行うときにどのようなメニューを行っていますか?
ドリルの存在を知っている方は、距離を泳いだりする合間にドリルを取り入れ練習しているかと思います。

ドリルとはフォーカルポイントに対して集中的に行う練習であり、完成系の泳ぎをし続けているだけでは気づきにくい感覚や形を修正することができます。

TIの練習方法のなかにも様々なドリルが存在しますが、それぞれを効果的に使うことができていますか?
皆様のご意見の中で取り入れにくいという感想が多い「アンダースイッチ」の活用法を少しお話ししたいと思います。

アンダースイッチは水中にてリカバリー動作を行う姿から、完成形のどの部分に活かされるのかが理解しにくいと思われいています。
しかし姿こそ見慣れない姿勢をしていますが、クロールの重要な要素が満載のとても効率のよいドリルなのです。

まず基本として「スケーティング」をしながら動作を行うことで、基本姿勢の完成度を試されます。
水中にてリカバリーをした際にスケーティングが崩れてしまうことが多く、こういった場合完成形を泳いだときも同様の状態になっていることが多いです。

次に「スイッチポイント」が正確に捉えられているかを確認することができます。
曖昧なスイッチポイントの捉え方ですと、通常のクロールよりも推進力の失速が大きいです。

最後に動きの中身がちゃんと個別に理解・動作できているかを確認することができます。
動作をするときに全ての動きが同時に動いてしまい、順序よく連動して動くことができなくなっている事例が多いです。

このように「アンダースイッチ」はいくつかの要素を同時に練習することができます。
他にも加速に関わる要素もありますが、また別の機会にてお話ししたいと思います。

練習の中で「アンダースイッチ」のような、あまり行わなくなったドリルをもう一度見直すことで、改めて気づくことや新たな発見がありますので是非練習のに取り入れてみてください。

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