Swim Like Shinji:水中ウェイトトレーニング トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2016年9月10日
スイム 4200ヤード
ウォームアップ 200
テンポピラミッド 10×100@1.15-1.30-1.00秒/0.05秒刻み
ペーススイム 10×250@22秒
ペーススイム 4×100@21秒
クールダウン 100

健康投資プロジェクトを開始するにあたり、米国疾病予防管理センター(CDC)が公表している運動ガイドラインに従い運動を始めた。

  • 1週間に150分の中強度の運動、または75分の高強度の運動
  • 1週間に2回以上のウェイトトレーニング(足、腰、背中、腹筋、肩および腕)

中強度は運動強度65%(CDCでは50-70%と指定)で、カルボーネン法によると私の場合目標心拍数は134となる。高強度は運動強度80%(CDCでは70-85%と指定)で、目標心拍数は147となる。

ウェイトトレーニングは16種類の器具を使う。いずれも10回ぎりぎりできる重さに設定し、10回を2セット行う。プロティンを補給した後で30分のランを続ける。心拍数が急激に上がり続けられなくならないように、最初の5分はゆっくりペース+傾斜5%、心拍数が135程度で落ち着いた段階でペースを上げ、さらに傾斜を10%にしてペースを少し落として145あたりを維持してトータル30分走る(ドラマを見ながらなので苦にならない)。

ウェイトトレーニングのメリットは、使う筋肉を決めて力を出す方法がわかることである。器具を動かすためには、普段出すことのない大きな力を瞬間的に出す必要がある。これを10回続けると、鍛えたい筋肉に加えて、周辺のどの筋肉を使うと持続できるかもわかってくる。

○ウェイトトレーニングの考え方を水泳に取り入れる
長時間負荷を上げるのに最適なのはペース練習である。ペースを維持するための「力の使い方」についていろいろ試してみたが、今ひとつ「これだ」というものがなかった。そこでウェイトトレーニングで学んだ筋肉の使い方を、水泳に適用してみた。

  • 筋肉を使う部位とタイミングをできるだけ小さく、短くする。
  • 力を出すときにはウェイトトレーニングのマシンを使っているときをイメージして、一気に大きな力を出す。

具体的には、以下のようにこれまで意識しなかった部分を使って、より大きな力を出す。

  • キャッチ:肘から先だけを動かすが、より大きな力を出すためにはわきの下から背中にかけての筋肉を使う。
  • プル:上腕の外側と肩の外側の筋肉を使うが、胸の筋肉を使うとさらに大きな力を出すことができる。
  • プッシュ:上腕の内側と前腕の筋肉を使うが、胸の筋肉と腹筋を使うとさらに大きな力が出せる。

10月の香港のリレーに備えて、リラックスペースより1秒速いペースで10セット泳いでいる(毎週距離を50ヤードずつ増やし、最後は10×400にする)が、これまで出したことのない力を瞬間的に出すことで、これまでよりかなりラクにペースをキープすることができるようになった。

さらにペースを1秒速くして4×100を行い、さらにウェイトトレーニング的な力を出すことにした。これまではほぼ全力で泳いでペースをかろうじて維持する状態であったが、今回はかなり貯金ができて、結局2秒速いペースとほぼ同じタイムで4本泳ぐことができた。ただし4本目の最後はウェイトトレーニングと同じ状態で、筋肉が疲れて動きにくくなることを感じた。

心拍数についてみると、通常は最も高くなる最後の4×100のペーススイムで、250のペーススイムよりも心拍数が下がった。これは今までになかった現象である。泳いでいてもあわてている感じはなく、ひたすらウェイトトレーニングを行っている意識であった。

なお全てのセットにおいて以下のようにフォーカル・ポイントを4種類用意し、25または50で変えて行った。

  1. 入水時加速と斜め入水
  2. ハイエルボーキャッチ
  3. 肘の角度を鋭角にしたプル
  4. ももに水の流れを感じるフィニッシュ

○水泳の力の入れどころ
ラクな泳ぎから速い泳ぎに変えるためには、まず動きを素早く行い加速を上げる。素早い動作による加速に限界が見えた段階で、力を加える。

このとき、ウェイトトレーニングと同じで、力を入れるタイミング、力をゆるめるタイミングがある。力を入れるタイミングは、キャッチ、プル、プッシュの3つであるが、全てに力を入れると入れっぱなしになってより大きな力を加えることができないだけでなく、持続することもできない。

そこでキャッチ、プル、プッシュのどのタイミングで力を入れるかをまず決め、そのタイミングで「かなり大きな力」を瞬間的に加えることで、ラクにスピードを維持することができる。

このときの力の入れ具合は、「ウェイトトレーニングで10回できる程度の重さを動かすときの力」が目安になる。水はそんなに重くないが、重いと考えて動かす初速の高さが重要である。

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