Swim Like Shinji:半年ぶりにサンフランシスコ湾で泳ぐ  トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2016年5月10日
オープンウォータースイム:2400m

6月下旬から7月にかけて2度10kmのスイム(ゴールデンゲートブリッジからベイブリッジまで)を行う。また8月にはアルカトラズスイム片道と往復+島一周もあり、冷たい海の水に慣れる必要がある。

昨年はウェットスーツ30分から始めて、時間をかけて水着だけにして泳ぐ時間も延ばしていった。今年は昨年の経験もあるので、最初から水着+ネオプレンキャップで泳ぐことにした。

○気温17度、水温14度
自宅を出るときに気温が16度だったので、サンフランシスコに到着する頃には12度ぐらいだろうと思っていたら、予想外にサンフランシスコの方が暖かく17度に達していた。

これは海も暖かいのでは?と期待したのが大きな間違いであった。足を水の中に入れた途端、脳に突き刺さるような痛みが生じた。全身を水中に入れ、いつものようにあわてふためいて泳ぎ出すが、ものすごく苦しい。毎回呼吸しているのに、全然空気が入ってこない。

一番ブイまで到着する頃には、息継ぎなしで泳ぐような状態であった。これでは泳げないと思い、一旦上になって深呼吸を2回し、ようやく何が起きているかがわかってきた。

  • 入った瞬間に横隔膜がいっきに上がり、肺の容量が小さくなった。
  • 吸おうという意識が強く、吐いていないので過呼吸になった。
  • 息継ぎをしているのに空気が入ってこないので、パニックになった。

もうやめて引き返そうかと思ったぐらいであったが、上を向いて落ち着いたことで状況が把握でき、問題解決に向かって対応することができた。この後息苦しい状態は続いていたが、強く吐くことをひたすら意識することで、パニックは治まってきた。

結局通常の4回に1回呼吸に戻ったのはフラッグ地点(いつものコースの端)であった。水温計を見ると14度で、過去にはウェットスーツで1回泳いだときの水温程度しかないことがわかった。

今回のパニックに至る過程は、このような低温のスイムに限らずどこでも発生する可能性がある。泳ぎに慣れている人でもレースでは緊張することもあり、パニックにならないように注意する必要がある。

○泳ぎながら歯の当たる音が聞こえる
昨年は海洋公園の中を周回していたが、今回は今年初めてということもありまず直線距離を2往復して様子を見た。

問題がなさそうだったので周回を始めたが、途中でカチカチ音が聞こえてきた。なんだろうと思って観察すると、からだが震えていて上下の奥歯が当たっていた。手足は冷たさと痛みで麻痺していて震えていることがわからなかった。

いつも20分ほどすると1回目の震えが来ているのを思い出し、キックを強めにすることで運動量を増やした。そのうちに治まったようである。震えてもパニックになる必要はない。ただし1時間後に来る2回目の震えについては、やめるかどうかを判断する必要がある。

○水がとても重い
いつもの泳ぎにようやく戻って来たので、3月に泳いだグアムの海と比べてみた。

  • 当たり前ではあるが、水温が泳ぎにくさのほとんどの原因である。水温が半分もない。
  • 手の先までしか見えないので、観察できない。
  • 逆に手の先までしか見えないので、深くても怖くはない。

からだが意識せずに緊張するので、疲れやすくなる。また水が重く感じられるので、水中動作で手が疲れる。リラックスする技術をさらに高める必要がある。

○テンポが上げられないので終了
2周しようかと思ったが、フラッグ地点に達したときにテンポが上がっていないことに気づいた。動きが緩慢になるのが低温症の症状であることから、危険を感じて直線コースに切り替えて終了した。

シャワーでは鳥肌が治まらず、その後のサウナでも震えが止まるのに5分以上かかった。サウナから出た瞬間また大きな震えが15分ほど止まらなかった。

本日泳いだ時間は50分。10kmスイムでは1時間40分は泳ぐ必要があり、距離と違ってレバレッジが効かないのが冷水スイムである。毎週サンフランシスコ湾で泳ぎ、6月までに泳ぐ時間を倍にする必要がある。

練習後の気分:7(筋肉が相当緊張していたようですでに筋肉痛、でもやって良かった)

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