ストロークを10分で効率的にする方法 TIスイム創設者 テリー・ラクリン

 2016年2月10日
あなたのストロークを、たった10分で著しく効率的なものに変えてみませんか? 正しいドリルを正しい方法で行うことで、他のどんな方法よりも早くストロークを改善することができます。私がここ数ヶ月の間投稿してきた、ストロークドリルの有効性と効率性を最大限に高めるための基礎を要約しました。
  1. ドリルをする目的は、ドリルの最中または直後など、リアルタイムで泳ぎを改善すること。つまり、10分以内の短いドリル練習の後、自分のストロークがとてもよくなったと感じることです。ストロークしながらフォーカルポイントを意識することで、少なくとも自分のストロークの微妙な動きに対する意識が高まるはずです。
  2. 決して機械的にドリルを行わないこと。次のことに常に意識を向ける:1)自分のストロークの具体的な改善方法、 2)その改善を実現するための考察と、改善された動きをしている時の感覚。
  3. 各ドリルの時間やセット数は、ストロークをしながら感覚の記憶を作り出すのに十分であればよい。集中力を保つのが困難になったり、ただのキックの練習になってしまうまでドリルを続けないこと。

これらの基礎を観察するために、私達がどのようにTIドリルを作り、指導しているかを紹介します。ここに紹介する例として私が選んだのは、最もシンプルで、最初に教えるドリルである「正面倒れ込みドリル」です。このドリルを作った目的と、その目的を達成するための方法を紹介します。

正面倒れ込みドリル
正面倒れ込みドリルは、「心地良さと身体のコントロール 」シリーズの最初のドリルです。これらのドリルとスキルでは、長期的な改善に必要な条件を作り上げるためと、効率性を高めるために欠かせない3つの点を指導します。

  1. 抵抗のない安定した姿勢によるエネルギーの節約
  2. 全てのスキルを習うために必要な身体のコントロール
  3. 集中力、落ち着き、そして自己認識の習慣がもたらす、長期的な効果とさらなる満足感が得られるスイミング

正面倒れ込みドリルは、他のどのドリルよりも短い(約6秒)反復練習です。そして、大抵の場合数回しか練習しません。人生を通しても合計30分ほどでしょう。とは言っても、このドリルは、必須の基礎であるバランスと体幹の安定性を改善する、とても貴重で持続的な身体意識を促します。

最初に正面倒れ込みドリルをする理由のひとつは、身体のほとんどの部分を動かす必要がないからです。これによって、主要なミニスキルである「首の力を抜く」、「頭から背骨を一直線にする」、「体幹を使う」の3つに意識を集中させることができます。身体の前で頭を孤立させることで、実際に頭が無重力状態で、背骨と一直線になっているという意識が高まります。また、正面倒れ込みドリルを使って、泳ぎながらコアマッスルを使ったときの感覚を意識することもできます。この2つのスキルは、手足を動かし始めても滑らかで安定した姿勢を保つ上で不可欠です。

実際に正面倒れ込みドリルをする前に、私達は生徒さんたちにまず、立った状態で正しい姿勢をリハーサルしてもらいます。それから、実際の練習に入ります。

正面倒れ込みの練習方法

  1. 前に倒れ込んで軽く床を蹴り、グライドの姿勢を取ります。
  2. 進みが遅くなると足が下がってきますが、頭から背骨にかけて直線を保ちます。
  3. 軽く両脚を押し付け合わせることで、足が沈む速度を遅くし、グライドの時間を延ばします。
  4. 勢いがなくなったら、立って呼吸と精神を整えます。そしてまた同じ動作を繰り返します。

注: 勢いと姿勢を数秒長く保つために軽く蹴り、感覚を掴むのもいいでしょう。

正面倒れ込みのフォーカルポイントチェックリスト
:首の力を抜き、水に支えられている感覚を得る。



:手は腿の前に来るようにし、身体のラインと一体化させます。
体幹:おへそを背中に引かれるように締め、腰が曲がっていた状態から、わずかに平らになるのを感じます。
:脚を押し付け合いまっすぐ伸ばします。勢いがなくなってきて、脚が下に下がってきても、それに逆らわず、頭から背骨にかけて直線を保ちます。
身体のライン:リハーサルで作った姿勢を保ちます。

ストロークを10分で改善
正面倒れ込みドリルを4〜8回繰り返します。時間で言うと、合計2〜3分です。そして、ストローク全体の練習(5〜6ストローク)を息継ぎなしで行います。ドリルでやった、首の力を抜いて、頭が水に支えられて安定している感覚を意識して、ストロークをします。5〜6回ストロークしたら、立って呼吸と精神を整えます。これを4回繰り返します。これも合計2〜3分なので、ドリルシーケンスとストロークで約5分になります。

そして次に上記の5分のシーケンスを、正しい姿勢と安定した体幹を意識して行います。

このたった10分の練習で、ストロークが改善します。

正しく行うことで、ドリルは常にこのような成果を得らます。

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