Swim Like Shinji:OWSで速く泳ぐためには トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2015年11月10日
本日アルカトラズスイムを完泳した。この季節にしてはめずらしく早朝から晴れて、絶好のスイム日和となった。気温は9度、水温は16.7度でこの時期としては暖かい。

タイムは27分で、8月の初トライアルのタイム53分の半分にまで縮めることができた。今回はなぜ半分の時間で泳げるようになったのかについて考察する。

○泳ぐ距離が短くなった
OWSで速く泳ぐための「最短距離」は、最短距離で泳ぐことである。スタート地点が異なるために厳密に比べることはできないものの、移動軌跡を見るとその違いは明らかである。

8月は約3kmを泳ぎ、53分かかった。今回は約1.6kmを泳ぎ、27分であった。スタートからゴールまでの直線に、どれだけ自分の泳ぎを近づけるかが大前提である。

○潮の流れを考慮する
8月に初めてアルカトラズに挑戦したときは、潮の流れを調べず、目標物もどれにするかよくわからず、自分が流されているのかどうかもわからなかった。

今回は潮の流れを事前に確認したところ、弱いFlood(外洋から内湾に流れ込む)であることがわかった。グラフは上が潮位表、下が潮流表である。スタートが15分遅くなったので、次第にFloodの流れが弱くなることを予想した。

これまで2回泳いでいるが、毎回潮の流れは異なる。またコース上潮の流れは変わる。従って潮流表を絶対視するのではなく、実際にどのような状態か確認しながら潮流の時間変化を参考にするのがよい。

○うねりへの対応
最初の4分の1、半分から4分の3のあたりでうねりが強くなった。エッジをかけるだけでなく、うねりを越えたらすぐにサイティングをして方向を確認しなければならない。今回も50cm以上のうねりの後はからだが常に左に回っていた。移動軌跡を見ると、半分すぎにジグザグしているが、これはうねりの後にサイティングしないで泳ぎ続けた結果である。

○動作を止めない3点測量
前回のアルカトラズ往復では、動きを一旦止めて後方を確認していた。今回は速く泳ぐことも目的であったため、動きをできるだけ止めないで後方→前方確認を行った。毎回確認すると左に押し出されていたので、進行方向を目標から30度右にして泳いだ。

○バトルに注意
今回は最初だけでなく、終盤でもバトルになった。おそらく良いコース取りをすると同じような場所で泳ぐことが原因であろう。10歳と13歳の女の子(いずれも十数回のアルカトラズスイム経験者)とバトルになってしまい、しょうがないので道を譲り、遠回りした。

○ディセンディングが基本
前日のペース練習が非常に役だった。前半はテンポを抑え、日頃は練習できないうねりの中で水中の手のグリップ力を高めた。中盤ではテンポをやや上げて、フィニッシュまでの水中動作全体を効率化した。後半はテンポをさらに上げて、前日と同じような速いペースを実現した。

最初は何人かに抜かされたものの、中盤、後半と次第に追い抜く人の数が増えて自分のスピードが上がっていることが実感できた。

今週は16度の水温でアルカトラズを泳いだが、来週は30度の水温で1日に5種目(3.8km、1.9km、1500m、750mと400m)を泳ぐ。水温が倍違うとどうなるかが興味深い。

竹内慎司TI代表のブログSwim Like Shinjiはこちら→

 ©Easy Swimming Corporation