Swim Like Shinji:スピードアップのフェーズに入る トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2015年10月10日
初島熱海横断スイムも終わり、長時間泳ぐスイムは一区切りを迎えた。今年は香港、アルカトラズ、シンガポールと短距離(4km以下)のレースが続くので、スピードアップのための技術を集中的に磨くことにする。

○スピードアップの新たなアプローチ
OWSのスピードアップでは、テンポを1.00秒以下にして泳ぐことを基本として練習してきた。しかしテンポを変化させたピラミッド練習でタイムを計測すると、テンポ1.05秒が最も速くテンポ1.00秒では遅くなってしまう。

ロットネストではテンポ1.00秒で泳いだが、明らかに空回りしていただけでなくうねりのタイミングにも合わせることができなかった。

そこでテンポは1.05秒を当面のレーステンポとして、1.10秒〜1.05秒で最大の推進力が得られるように水中の手の動きを磨くことにした。

1)フィニッシュの位置を変える
熱海で泳いでいるときに、大貫さんからフィニッシュの位置を後ろにした方がよいとアドバイスをもらった。自分としては水中フィニッシュをして一点出水(肘が出る場所から手が出る)をすることで美しく速く泳いでいるつもりであったが、ビデオを詳しく見てみると手で水を押しきっていないことがわかった。

そこでグアムに移動してからフィニッシュの位置について研究を重ねた。「水を押し切った」と感じるフィニッシュの位置は水面すれすれであり、これまでなら肘を伸ばしたままフィニッシュする(いわゆるジュディ)ことになるかと思ったが、水面フィニッシュのビデオを見ると手が水上に出るときには肘は曲がっていて、水を押し上げてはいなかった。

水面すれすれでフィニッシュすると、プッシュでかなり押している感じがして手がすごく疲れる。そこで体幹てこを使ってからだの回転に手の動きを連動させることにした。

2)正しい手の形にすれば「てこ」でほとんど解決できる
推進力を最大化するために、テンポ1.50秒として極端に少ないストローク数で泳いだ。水中の手を前スカル−中スカル−後スカルの動きにして、力を入れて水を押すと50m30ストロークであった。

一方入水てこでキャッチして、肘てこでプル、体幹てこでプッシュしてラクに手を動かしても、31ストロークであった。軌跡を伸ばして力ずくで手を動かすのにくらべてはるかにラクでありながら、ストローク数は1しか変わらない。正しい手の形を意識しててこを使うことの重要性が理解できた。

フィニッシュを下げると、水を押す距離が長くなる。手で押すと疲れるのでいかにてこを使って手を動かすかがポイントになる。これまでの泳ぎと比べると30cmは水を押す距離が伸びており、その分だけ推進力も増えている。これまでプッシュは疲れるので抑えめにしていたが、今後は積極的にプッシュすることでスピードアップを図る。

香港対応練習:3200m
香港の15kmレースでは5人が最初は20分ずつ、次からは10分ずつで泳ぐ。このため10分間を繰り返し泳ぐ練習として、600m×5、テンポ1.20秒−1.00秒を実施した。

また次に最小ストローク練習としてテンポ1.50秒で50mプールを30〜31ストロークで繰り返し泳ぎ、てこの使い方やフィニッシュの位置、力の入れ具合を調整した。

練習後の気分:9(キャンプも終わり、リラックスして練習できた)

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