Swim Like Shinji:2週間で50kmを泳いだグアムキャンプ トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2015年7月10日
先月のグアムでの滞在は非常に充実したものになった。今回は日本語キャンプ、自分の練習、韓国語キャンプ、自分の練習と限られた時間を効率良く使って泳ぐことができた。

前回のキャンプでは39度の熱を出してお客様にも迷惑をかけてしまった(それでも1日6km以上泳いでいたが)ため、今回は気合いを入れてキャンプに臨んだ。

○日本語キャンプ
リピートの方8名様、新規の方5名様という構成で、近年では新規の方が多かった。

3月から練習してきた「エッジをかける」「疲れない6ビート」「スイッチのタイミングを変えることによるテンポのコントロール」「スカリングに基づく水中動作」などのOWS向け技術をお客様に提供する初めての機会であった。一度にマスターするには難しい技術を、単純な動作で構成することで誰もが理解し、習得できるようにした。

特に6ビートは新鮮だったようで、力の入った2ビートよりもリラックスした6ビートの方が足が浮くことや、下半身が安定するため上半身の推進力を増やすことができることを理解し納得して頂けた。

また水中の手の動きについても、肘の角度を維持しながら「かかずに」リラックスして素早く動かす方が加速が上がることも理解して頂けた。

これまでの6月のキャンプよりも泳いだ距離はかなり増えたが、みなさんラクにこなしていたのが印象的であった。

○韓国語キャンプ
韓国TIコーチの安さんの尽力により、韓国語のキャンプを当初より1年早く実現することができた。参加者はコーチ、通訳を含め10名で、最初のキャンプとして丁度よい規模であった。

これまで韓国で行ったワークショップやコーチ研修とは異なり、私がディレクターとなって全ての管理をする必要があったが、多少の民族性の違いを除いてはみなさん熱心に、かつ非常に協力的であったのでスムーズに運営することができた。

潮位の関係でOWSセッションを午後4時から開催することになり、朝行うプールセッションとの合間に長い空き時間が発生した。この時間を使ってプール練習することができたのは大きい。

最終日は午前中のプールセッションで終了する予定であったが、全員深夜に出発ということで急遽夕方に4kmOWSを実施した。潮の流れが強かったもののOWS初心者も含めて全員完泳した。

○自己練習
朝の5kmランは体重増のため1回目は2番目の上り坂、2回目は3番目の坂でリタイア(歩きに変更)した。

去年フルマラソンに備えて練習していたときには2周完走していたことを思い出し、3回目は上り坂でひざを伸ばすために筋肉を使ったところ完走できた。4回目もきついながら完走できた。

スイムについては量と質の両方を狙うことにした。量については毎日6〜7kmを泳ぐことにし、質についてはテンポ1.0秒で40ストロークを目標にした。

  • OWSでは4km泳を2回実施した(うち1回はソロ、1回は韓国語キャンプ)。前半は比較的穏やかであるが、パシフィックスターホテルからの折り返し後500m程度は潮の流れと風向きが異なるため強いチョップが発生した。うねりというほどではないがエッジをかけて6ビートで泳ぐことで姿勢を安定させることができた。
  • プールでは3〜4km程度を毎日泳ぎ、中間のメインとして50×100m(2分インターバル)、最終日のメインとして10×1000m(レスト45秒)を行った。100m泳の平均タイムは1分45秒で、レストは15秒であった。前の泳ぎを反省し、次の泳ぎの目標を定めるためには15秒が必要である。従ってディセンディングを意識した泳ぎを続ける(結果としてタイム一定にする)ためにはインターバルとして2分を要する。
  • 質についてはストローク数を減らす練習をまず行い、32〜34ストロークで長距離を泳げるようにした。次にテンポトレーナーを使って1.20秒から次第に速くしていったが、ストローク数の増加はできるだけ抑えた。その結果50mではテンポ1.0秒で36ストロークを達成した。100mでは80ストローク未満として目標ペース1分30秒を達成した。

結果としてグアム滞在2週間で約50kmを泳ぐことができた。レッスン後にプールで朝3km泳いでから海で夕方4km泳ぐのはなかなかつらいものであるが、天候もよく天敵の魚もおとなしかったので無事泳ぐことができた。

○日本代表と泳ぐ
後半からは日本代表の合宿と重なり、メダリストの練習風景を観察することができた。1日2回、1回2時間程度練習するので泳ぐ距離は1日10kmを超えるのであろう。ゆっくりしたテンポ(1.1〜1.2秒)で長く泳いでいるのが印象的であった。スプリント練習やインターバル練習も午前中はほとんど行っておらず、コーチと泳ぎを確認することが中心であった。かなりきつい練習で朝から飛ばす大学の水泳部の練習とは対照的であった。

クロールのストローク数は34〜38で、スイッチのタイミングもTIと同様である。隣の競泳用プールで一緒に泳いでみたが、ストローク数は変わらないもののあっという間に着いていたようである。キックやプルによる推進力が大きいのであるが、機会があればさらに観察して、大人の水泳に使える技術を見つけたい。

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