パフォーマンスゾーンの探求 TIスイム創設者 テリー・ラクリン

 2017年10月10日

今週メリーランド州のバルティモアに住む友人のマイケル・ブライアントさんから、定期メッセージが届きました。彼と彼の奥さんのナンシーさんは、2008年にTIを始め、今まで何度もTIワークショップやキャンプに参加しています。2人がTIを始めた時、マイケルさんは48年続けてきた彼のスイミング方法をきっぱりと止め、スイミングをゼロから習得し直しました。ナンシーさんにとっては、初めてのスイミングでした。

その後、マイケルさんはプレシード湖のアイアンマンレースを6回完走しました。ナンシーさんは、20以上の短距離とオリンピック・ディスタンスのトライアスロンを完走しました。マイケルさんは「私たちは健康的なライフスタイルを大事にしていて、その基盤となるのがTIです。」と言っていました。

マイケルさんから来るメッセージの見出し「アクア研究室より」は、彼らの練習を表しています。彼らは、お互いに助け合いながら向上し続けるのに理想的な「カイゼン」に取り組んでいるのです。


マイケルさんとルーシーさん。プレシード湖にて。

マイケルさんの最新のメッセージ
「私たちのアクア研究所で、先日私とナンシーは技術面に取り組んでいました。バランスを改善するためのスーパーマングライドとストロークの長さを意識した25ヤードを交互に練習しました。ナンシーは以前25ヤードを泳ぐのに37ストローク必要としていましたが、今ではその半分になりました。しかし、入水時の彼女腕がぎこちないことに最近気づきました。

そして、最近のあなたの『両側で息継ぎをする』ブログ投稿に書かれていた『顎を肩に寄せて水面上へ』というフォーカルポイントを思い出しました。それをナンシーに伝えたところ、あっという間に改善したのです。

練習を始めた頃、ナンシーは速く泳ぐことは目的ではないと言っていましたが、彼女のフォームが滑らかになったことで、自然と速くなったのは明らかだったので、彼女の50ヤードを何本か計ることを提案しました。

ジョン・ウーデンの言葉で「素早く、しかし急ぐな」と言うのがあります。それを彼女に教えました。

ナンシーの50ヤードのタイムを3回計りました。結果は、1:07、1:06、1:03でした。これはナンシーの自己ベストです。彼女はとても喜んでいました。

P.S. 2日後、ナンシーはもう一度50ヤードを3回計り、1:02、1:02、1;02でした。1分を切るまでほんのわずかです。私自身は『あやつり人形の腕』を意識したところ、50ヤードのタイムが50秒から48秒に縮まりました。

P.P.S タイムは基準の1つにすぎず、単なる情報であるは解っていますが、この結果に私たちはとても嬉しくなりました。」

これを読んで、私もとても嬉しくなりました。なぜなら、

  1. ナンシーさんは、自分自身でスピードを向上する方法を繰り返し見つけ出し(ストロークの左右のバランスなど)、最終的に大きな結果を出したからです。そして、
  2. 彼らの練習は、私がつい最近認識することとなったカイゼンの本質を実証したからです。

正しいゾーンでのトレーニング
以前「カイゼンアプローチ」について書いたときにも説明しましたが、トレーニングは3つのカテゴリーまたは「ゾーン」に分けられます。

リラックスゾーン:このゾーンでは、自分の能力や技術を酷使しません。普段から慣れていて、自分の力に見合った泳ぎをします。このゾーンでは、ほとんど努力や訓練、集中力は必要としません。

ラーニングゾーン:このゾーンでは、既存の能力と困難な課題との折り合いをつけます。自分の苦手な部分を探して修正することに集中します。これはかなり神経を使いますが、肉体的にはそれほど苦痛ではありません。自分の目標に少し届かなくても構いません。上手くできたと感じるのは時間と忍耐の問題です。つまり、能力と課題のバランスが取れればいいのです。

チャレンジゾーン:もし目標に達するまでほど多いと感じた場合、課題のバランスを取りなおして、既存の能力に見合うようにする必要があります。

もしあなたがスイミング経験の質を重視するある場合、または、多くのTIスイマーがそうであるように、スイマーとして一生習得し続けたいと思っている場合は、常にラーニングゾーンで練習することが効果的かもしれません。しかし、

既存の能力を超える
私は最近、50代前半以降の自分の練習傾向を振り返ってみて、4つ目のカテゴリーがあることに気づきました。

パフォーマンスゾーン:このゾーンでは、スピードに焦点を当てたトレーニングを行います。オープンウォーターのレースやマスターズの大会に参加したり、マスターズや指導を受けてきた他のグループと一緒にトレーニングをします。

自分と同じレベルかそれ以上のスイマーに追いつくため、または、今までの自分のスピード基準を上回るためには、とても厳しいトレーニングになり、結果も保証されません。普段の効率性(容易さ、コントロール、ストローク数など)もわずかに下がる可能性もあります。

理想的なのは、ほとんどの練習をラーニングゾーンで行い、そこで習得したものをパフォーマンスゾーンで試してみることです。

これはまさに、今週マイケルさんとナンシーさんが行ったことです。私の推測による見積もりですが、彼らの練習は45分で、そのうちの90%をラーニングゾーンで行い、最後の5分をパフォーマンスゾーンで行ったのだと思います。

しかし、パフォーマンスゾーンの短い時間の中での自己実現の価値は、残りの90%の練習のそれよりも大きいのではないかと私は思います。

 ©Easy Swimming Corporation