2012年10月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
チャレンジ!シリーズDVDの出版にあたり、自分でも一つチャレンジしようと思って私が取り組んだのが「1500m続けてバタフライを泳ぐ」でした。今回はこのチャレンジについて、どのような練習を行い、何を意識して泳いだかについてまとめたいと思います。

「チャレンジ!200mバタフライDVD」は、25mをバタフライで「泳げそうな」方が200m完泳するためのカリキュラムです。ここで目標としている距離は、現在泳げる距離のおよそ8倍に相当します。私自身バタフライを200m続けて泳いだ記憶はないのですが、泳げるものとしてその約7.5倍である1500m、実際にはヤードプールなので1650ヤードを続けて泳ぐことを目標にしました。

ステップ1:完泳するために意識するポイントを決める。

私の水泳経験においてプールで休まずに続けて泳いだ距離としては、クロールの1500mが最長です。時間にして25分程度です。今回の1650ヤードバタフライは、距離はほぼ同じで、時間はさらに2割〜3割多くかかることが考えられます。そこで最初に考えたことは、「35分続けて泳ぐことができるか?」でした。単に気力で「泳げる」と考えたところで何も生み出さないので、バタフライが続けて泳げなくなる原因について考えてみました。

  • リカバリーの手が上がらなくなる。
  • 口が水面より上に上がらなくなり、息継ぎができなくなる。
  • 口から入った水を飲んでしまう。
  • 気持ちが続かない。
  • 首や肩が痛くなる。
  • 全体的に体が疲れる。

これらが発生しないようにすれば、35分間続けてバタフライを泳ぐことができるはずです。そこで次のように意識するポイントを決めました。

  • 息継ぎで、できるだけ体の浮き沈みを使う。
  • 手は、体のタイミングに合わせて動かすだけにする。
  • 入水後のキックを弱くして足の疲れを抑える。
  • 息継ぎのキックは水を抑える程度にする。
  • ストローク数を数えることで意識の集中を持続させる
  • 基本1ストローク1呼吸として、手や肩が疲れてきたら2ストローク1呼吸にして息継ぎをしないときのリカバリー動作をさらにリラックスする。

これらのポイントを常に考えるのではなく、泳ぎの状態を確認して、水上の手や息継ぎの口の位置など、これから問題になりそうな箇所が見つかった段階でそれに合わせて意識するポイントを変えて対応することにしました。

ステップ2:完泳するためのテンポを決める。

今回は初めての試みでもあり、スピードアップよりも完泳を目標としたためテンポは一定で泳ぐことにしました。普段のバタフライのドリル練習では、私はテンポを1.20秒に設定しています。しかし実際に続けて泳ぐときには、考えながら泳ぐテンポでは遅すぎます。そこでピラミッド練習で1.00秒を使うようにし、そのテンポとドリル練習テンポ1.20秒の中間である1.10秒を実際に1650ヤード泳ぐときのテンポとしました。

ステップ3:練習アプローチを決めて練習する。

DVD出版のために設計したカリキュラムを確認する意味で、2週間(10回)はDVDと同じ内容で練習しました。時間配分では、最初の1週間はドリル練習を20分、完成形練習を25分行い、次の1週間はドリル練習を10分、完成形練習を35分行いました。

完成形練習で最初に行ったことはインターバル練習です。競泳で行われるインターバル練習とは異なり、休憩時間を決めてその時間を減らすようにしました。25m(ヤード)泳ぎ、30秒休んで次の25mを泳ぐと、最初はすごくきつく感じられます。しかし練習を積み重ねるにつれて、10秒程度(10ビープ音)もあれば次の25mも意識を集中させることができるようになりました。その段階で1回に泳ぐ距離を50mに増やしました。

次に取り組んだのがピラミッド練習です。距離を次第に伸ばすことで、泳ぎのどこに問題が生じるかを発見することが主な目的です。私の場合伸びが足らなくなることがわかったので、沈み込みを意識して伸びるようにしました。また水上のリカバリーの高さを最小限にすることも意識しました。手の上げすぎは疲れにつながります。

また複合ピラミッド練習も行いました。これは25mを4本、50mを3本、75mを2本、100mを1本泳ぐもので、同じ距離を繰り返すときは効率を上げることを意識し、距離を伸ばすときは効率の持続を意識します。最初は片手バタフライを組み入れ、慣れてきたら両手の割合を増やしていきます。

最後にテンポ練習を行いました。テンポ1.20秒からスタートして、最終的に1.00秒で上記のピラミッド練習ができるようにしました。

このように練習で泳ぐ距離は25m〜100mが中心で、ピラミッドの延長としてたまに200mまで範囲を広げるようにしました。むやみに距離を伸ばす練習を行わないのは、効率が維持できれば「泳げなくなる原因」が発生せず、結果的にラクに1500mを泳げるという考えに基づくものです。

ステップ4:1500mを続けて泳ぐ。

今回のチャレンジの総まとめとして、1650ヤードを泳ぎました。テンポは1.10秒とし、ラップタイマーを使ってラップ毎のタイムを計測しました。

実際に泳いでみると、次のようなことが起きました。

  • 前のめり感が減ることで、1ストロークで伸びる距離が短くなり、ストローク数が増えた。
  • 息継ぎの頭の角度によって肩の疲れがかなり変わった。前を見ないように意識するとラクに泳げた。
  • 予想していたよりもリカバリーは疲れなかった。ほとんど毎回呼吸で、たっぷり息を吸うことができた。
  • 後半は余裕があったので、手で水を押すことに集中した。その結果ストローク数は2減った。

結果は34分10秒でした。これは1ラップあたり60秒超のペースです(右のグラフ参照)。完泳するために慎重になって少し遅かったので、思い切っていけば1ラップあたり2ストローク、2秒程度はカイゼンできそうです。

今後取り組むべき課題をまとめてみました。

  • 最初に取り組まなければならないのはストローク数を一定にすることである。疲れてくると前のめり感が減って、その結果ストローク数が増える。特にリカバリーの手の入水方向に注意して、前のめり感を増やすことでストローク数を一定にする。
  • テンポ1.00秒で泳ぐようにするために、沈み込みと浮き上がりのリズムを早める必要がある。このためには沈み込みや浮き上がりの割合を小さく必要がある。ストロークの各段階における頭の角度、背中の角度の振れを小さくすることで実現する。

みなさんの様々なチャレンジにおいて、今回の私の経験を役に立ててもらえればと思います。

 

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