2012年6月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン
 パリのTIスイマー、マシューは私のスタジオを訪ね、エンドレスプールで一週間を過ごしました。

 マシューは「Self-Coached Workshop DVD」を観て、驚くべき上達を遂げていました。バランス・安定・ストリームラインは申し分なく、また身体全体を連動させて泳いでいました。

 TIコーチのアリス・ラクリンは、これらに更に磨きをかけ、そこから私がカイゼン・スキルの指導に入りました。

<火曜日>
 まず、リカバリー・入水の微調整を行いました。これは非常に繊細な調整です。
 すると、キャッチに変化が現れました。水を捉え損なってかき回すのではなく、確実に身体を前に進ませることができるようになったのです。

 私たちは一連の動作(Elbow Circle / Draw a Line / Mail Slotの3つ)のリハーサルを行いました。(注:「Self-Coached Workshop DVD」のレッスン7にあります。)
 フォーカルポイントを設定しリハーサルで得た技術、それを泳ぎながら試したのです。

 10分間練習したら、マシューは『Elbow Circles』ができるようになりました。次に『Draw a Line』を取り組みました。マシューはこれもできるようになりましたが、先に行った『Elbow Circles』はできませんでした。
 『Mail Slot』をやった時も、同じです。キレイに入水しましたが、その前に行った2つのことは、それほど意識できた様子ではありませんでした。
 これについてマシューは心配した様子でしたが、問題視する必要はありません。

 まずは、これらの技術を個々に練習し続けましょう。技術練習の積み重ねにより、脳へ『技術』が伝達されます。そして他のことに取り掛かった時に、伝達された技術はより強いものとなります。

<水曜日>
 レッスン開始時に、マシューが言いました。「昨日習ったことが夢にまで出てきたよ!」
 私は答えました。「よくあることですよ。」

 習いにきたスイマーは、ほぼ確実に言うことですから。新しく習ったことに心を奪われると、それについて夢を見ることがあるのです。

 さて、レッスンではどうなったと思いますか?
 エンドレスプールのスイッチをいれると…ほら!

 マシューが苦労していた3つのスキルの同時展開が、できたではありませんか。それらは滑らかに一つの動作につながっていました。まるでアレクサンダー・ポポフや、孫楊などのオリンピックスイマーのようです。(10〜12ストロークは・・・ですが。)

 次に、脳の研究者たちの観察記録(ねずみの脳を観察した結果)を紹介します。
 ネズミが、ご褒美のチーズをもらうために迷路から脱出しようと頑張っている間、その脳波をスキャンしているディスプレイは「寝ている状態」と同じパターンを示すのだそうです。

 脳が「問題を解決している」と認識すると、寝ている時と同じ信号に変換し続ける、と科学者はいいます。
ちなみに、その「認識」する方法ですが、集中し、繰り返し動作すること、だそうです。

【編集後記】◆奥村コーチのワンポイントレッスンはバタフライです。うねりすぎる原因と対策についての記事です。ちなみに奥村コーチの肩は硬い(!?)のだそうです。こんなにやわらかに動いているように見えるのは、「動かし方」によるものだそうです。◆山口コーチは身体や運動と向き合うことで、怪我や故障を防ぐことについて語っています。「キツければ効いている」と勘違いしがちな「強度」の認識は、無意味なのですね。◆サロンこぼれ話は「サロン活用術」指南です。加藤コーチと高橋コーチの熱心な指導が、リピーターを増やしている様子が窺えます。◆平山コーチのロットネス海峡横断レポートは今回お休みです。◆コーチ短信は初登場の清水コーチです。今回初めてグアムキャンプに参加しますが、カリキュラムを楽しみにしている様子が窺えますね。中村・山口コーチからは選手・育成クラスの活動記録です。永瀬コーチを筆頭に3人のコーチ陣と選手たちが一丸となり、毎日練習しています。土曜日の朝練指導の声が、スカイフィットへ向かう道のりで聞こえてくる事もあります(ちなみにプールは7F)。◆テリーのブログは、レッスンでよく見る光景です。「一度に意識しきれない」というスイマーは多いですが、それでも脳には刻み込まれているみたいです。一安心。(TIコーチ 塚本恭子)
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