2010年11月10日
TIコーチ 田中幸夫
田中コーチ

皆さんは25mのプールをどれくらいのストローク数で泳がれるでしょうか?
ストローク数が多くなると、それだけ体力を使うことになり、長い距離を泳ぐことは難しくなってくることは実感されていることと思います。TI(トータル・イマージョン・スイミング)のコーチになって4年、「楽に、楽しく、美しく、速く、そして長く」泳ぐことを目指して練習していますが、普段の泳ぎでは16〜17ストロークぐらいかかります。伸びを意識して、ストローク数を減らすように泳いでも12ストロークが限界でした。

▽9ストロークの映像
TIジャパンのホームページに掲載されている世界第2位のアクセス件数となった竹内代表のスイムビデオを多くの方がご覧になっていると思います。このほかに「9ストローククロール」のビデオがあり、これを見たときにどうすれば9ストロークで泳げるようになるかを考え、チャレンジ目標としてきました。
→ http://www.youtube.com/watch?v=4InLAsnmKhY

▽TIスイム検定
トータル・イマージョン・スイミングでは「TIスイム検定」というTI度を評価するレベル区分の検定方法が考え出され、各コーチが現在のレベルをそれぞれ申告するようになりました。最初は「上級TIスイマー」でしたが、9ストロークで泳げるようになり「エリートTIスイマー」になることができました。

▽ストローク数重視
「TIスイム検定」では、タイムを速くするよりはストローク数を減らす方が、レベルが上がることが分かり、「ストローク数重視」での練習を進めてきました。さらなる上のレベル「スーパーTIスイマー」になるには、もっとストローク数を減らす必要があるので、その当時にはまだ誰も経験されていない“7ストローク”を目指すことにしました。

▽7ストロークへのポイント
(1)急がない・・・急がず、慌てず、できるだけゆっくり泳ぐ。25m泳ぐタイムを60秒以上から100秒へ延ばしていくことにより水中姿勢の安定化をめざす。
(2)がまんの手・・・リカバリーの手が入水するまで伸ばした手をかき始めない。リカバリーの腕の肘が頭の横ぐらいまで来て、重心が前に乗ってくるとさらに伸びる(進む)感覚をつかむ。がまんのしすぎで失速してしまうと逆に伸びがなくなってしまうので注意が必要。
(3)けのび姿勢・・・スタートで壁をけってから10m以上進む(目標12.5m)。通常の泳ぎの中でもスタートとターンでの水中姿勢(ストリームライン)と伸びは重要であり、抵抗の少ない水中姿勢をつかむ。

以上の3点を意識して練習を進めることにより、何とか7ストロークでたどり着けるようになったのですが、タイムは35秒以上かかっています。このタイムを短縮していくためには、入水する手のスピード(加速)、かく力、キックが必要になってきますが、これらを意識しすぎるとストローク数が多くなってしまいます。現在は30.10秒まで短縮できましたが、目標の27.4秒(スーパーTIスイマーレベル)にはまだ届いておりません。

じっくりとビデオを見れば、まだまだ修正すべきところが多々あります。また、いつでも7ストロークで100%できるとは限らず、8月のコーチ実践演習時の計測では同じように泳いだつもりでも9ストロークになってしまいました。

▽25ヤードを7ストロークより上か?
トータル・スイム・マガジン2月号に「アメリカの60歳の弁護士であるDon hさんが25ヤードを7ストロークで泳がれた」という記事が載っていましたが、理論考察はまさにその通りだと思います。 → http://tiswim.jp/tsm/2010/tsm20100210_1.htm

私の場合は25mプールであり、25ヤードプールなら1ストロークは少なくなるだろうと推測します。63歳になる小柄(163cm)な日本人TIスイマーが達成したことは評価してもらえると思います。

▽次は5ストロークで25m
TIで泳がれる方なら、これぐらいのストローク数は十分に達成可能であり、次の目標はタイムアップとともに「5ストロークで25m」を目標にして、これからもTIの泳ぎに取り組んでいきます。「自分で目標を決め、努力して達成する」ということは、達成できて初めて生きてくる言葉になってきました。読者の皆様もTIで泳ぎ、ぜひ実感していただきたいと思います。

【編集後記】バランスの取れた抵抗の少ない姿勢で体幹を使った推進力を生み出すのがTIの泳法です。この中のどれが欠けても7ストロークは達成できません。7ストロークを達成した63歳の田中コーチに拍手です。ストローク数を減らす練習で、安定した姿勢をキープしながらスムーズで長いグライド(滑る)を習得することができます。その上で自分に最適なストローク数とスピードを見つけることが効率のよい泳ぎにつながるはずです。(TIコーチ・中井博行)

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